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プッシュ通知の分析結果から考える”超”本質的な活用方法<離脱抑止編>

2019.01.17

前回の記事 ( https://www.metaps-links.com/blog/2018/12/06/strategic-push-retention/ ) では休眠ユーザーの復帰施策としてのプッシュ通知の活用についてお話しました。今回はユーザーが休眠 (離脱) するのを抑止するための施策として、プッシュ通知の効果をお伝えしていきます。
前回同様、ユーザーのプッシュ通知に対する反応を可視化します。そして、プッシュ通知による既存ユーザーの行動の変化を指標として、離脱抑止施策の効果を測っていきます。

 
 

離脱抑止施策としてのプッシュ通知の効果

まず始めに、離脱抑止施策を実施するにあたり、離脱を抑止することによる効果がどのように影響するのかを改めて整理します。
直近7日間で一度以上アプリを起動しているユーザーのことを既存ユーザーと定義し、直近7日間で一度もアプリを起動しなかったユーザーを休眠ユーザーと定義します。ユーザーが休眠した状態を「離脱」と捉え、この「離脱」を抑止するための施策を離脱抑止施策と呼びます。

 

一定頻度で起動している既存ユーザーに対して施策を講じる理由は、既存ユーザーが高い頻度でアプリを起動する環境を作ることにより、アプリの成長に大きく貢献するためです。
アプリの成長を定義する際、売上やイベント参加率等いくつかの指標がありますが、その元となる指標はアクティブユーザーです。アプリを起動しなければ、課金やイベントへの参加が発生しません。また、ほぼ全てのアプリにおいてアクティブユーザーの大半を占めるユーザーは既存ユーザーとなります。そのため、既存ユーザーを離脱させない施策にも注力する必要があります。

 
 

既存ユーザーに対するプッシュ通知の効果

プッシュ通知によってアプリ起動率が上昇するのは第1回のブログで紹介した通りです。以下は実際にプッシュ通知を行ったアプリのデータです。アプリを起動した既存ユーザーがプッシュ通知送信日に増加しています。

 

<図1.既存ユーザー全体へのプッシュ通知の効果>

※プッシュ通知の詳細

  • 送信日: 8月17日
  • 対象ユーザー: 全ユーザー (表示されているデータは既存ユーザーに限定)
  • リーチ率: 約98%

 

このように、プッシュ通知がリーチしたことで既存ユーザーのアプリ起動を促し、離脱 (7日間未起動) を抑止していることが示されています。プッシュの離脱抑止施策としての効果が認められます。

 
 

離脱抑止施策としてのプッシュ通知の指標

プッシュ通知を行うことにより既存ユーザがアプリを起動し離脱を抑止することは分かりましたが、あくまで一時的な効果です。プッシュ通知の効果が継続性があるのか、既存ユーザーの動向を分析して確認していきます。
既存ユーザーが離脱しないためにはアプリを継続して起動していくということは、前項で説明した通りですが、アプリの起動頻度を細かく分析することにより、離脱抑止の指標として測っていきます。
アプリの起動頻度を測るため、弊社ではFQ (直近の起動頻度) という指標を用いています。FQとは、計測対象とする日から○日前までに何日起動しているのかを表すものです。下図で示しているのは、7日前までの起動頻度となり、既存ユーザーの定義である7日前までのデータをFQ7として分析します。

 

<図2.FQ7とは>

Aさんは9月1日、2日とアプリ起動をしていますが、その後9月9日までのアプリ起動はありません。そのため、9月9日時点のFQ7 (9月9日から過去7日間の起動頻度) は0になります。
Bさんは上図中、9月2日から9月9日の間で6日アプリを起動していますが、Aさんの時と同様で、9月2日はFQ7には含まれないため、FQ7は5 (4、5、6、8、9日の5日) となります。
このように、計測日から直近7日間の間で何日起動があったかを表す指標がFQ7になります。

 

既存ユーザーの質を測るためにFQの概念を用いる理由は、とてもシンプルです。アプリの起動頻度が高いユーザーはアプリを多く利用し、アプリの成長に寄与しています。アプリの成長に寄与するユーザーを可視化するため、FQを用いて評価します。

 
 

プッシュ通知の継続的な効果の検証

下図はプッシュ通知を行った際にFQ7の内訳がどう変化したかを測定した結果です。

※プッシュ通知の効果検証のため、広告等のマーケティング施策を行ってない期間にて抽出
※アプリへのモチベーションが高いユーザーを検証対象から除外するため、プッシュ送信日から7日前までにインストールしたユーザーを除外

 

プッシュ送信7日後のFQ7の構成比は、FQ7=7とFQ7=6のユーザーで約90%、FQ7=4以上のユーザーで約95%を占めており、プッシュ送信日よりもプッシュ通知が届いたユーザーの起動頻度が高くなっていることが分かります。

 
 

また、FQ7を分析することにより、ユーザーが今後アプリから離脱するのか/継続利用するのかが推測できるようになります。ユーザーがどのように推移するのかその後の動向を分析しました。

 

<表1.FQ7とその後のアプリ離脱率>

A日時点でFQ7の数値が高いユーザーほど、1ヶ月後にアプリを起動する傾向にあり、既存ユーザーを離脱させないためには、起動頻度を上げる必要があることが分かります。起動頻度を上げることによりアプリへの残存率が高まるため、既存ユーザー向けの施策としては、いかにFQを向上させるのかが明確な指標となります。また、FQが高くなれば離脱ユーザーを最小化することにも繋がるため離脱抑止施策としての効果を認めることとなります。

 

結論として、ご紹介したケースにおいてはプッシュ通知によってアプリ起動率が改善し、なおかつFQ7を押し上げることができました。前述の通り、FQ7=7に到達したユーザーは極めて高い残存率を誇るため、FQ7の上昇は離脱抑止施策としてのプッシュ通知の成功を意味します。
このように、既存ユーザーの離脱抑止施策としてプッシュ通知が効果的であるといえますが、必ずしも全てのプッシュ通知が離脱抑止施策として効果的であるとは限りません。プッシュ通知の最適な運用のためには、正しい指標をもとに効果を検証し、プッシュ通知を改善し続けていく必要があります。

 
 

プッシュ通知の正しい運用と効果の分析について

前回のブログでもお伝えしたように、プッシュ通知によって得られたデータは施策効果の検証だけではなく、プロダクトの改善にも有用です。
正しい指標で効果を検証しなければ、プッシュ通知を送信した日のアプリ起動率が上がったことを確認して終わりです。もしかすると、その効果は一時的・局所的なものであり、より良い施策に繋げるデータとはならない可能性もあるのです。そのため、今回触れたFQ7のように、施策の効果を測定する指標を持つ必要があります。

 

今回のプッシュ通知シリーズを通して私たちが一貫して主張していることですが、プッシュ通知の施策効果の計測で得られたデータを資産化し、次の施策へフィードバックさせることで優れた循環を生み出せるという点が重要です。

 

昨今ではアプリを成長させていく施策が多様化しており、それぞれの施策に応じた評価指標も必要となっています。Metaps Analyticsではプッシュ通知以外にも広告の効果の検証やアプリ内施策の実施と効果検証機能も提供しています。単純なアトリビューションツールとしてではなく、統合的なアプリマーケティングツールとして、アプリの成長へ寄与できる様々な機能を揃えています。

 
 

プッシュ通知の分析結果から考える”超”本質的な活用方法

 
 

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弊社では、Metaps Analytics ( http://www.metaps-links.com/analytics/ )から取得したデータを基に、アプリ運営における課題定義・課題に対するソリューションを提供しております。
今回のブログでご紹介いたしましたプッシュ通知の導入から活用やアプリ内データの分析、その他アプリに関するご質問がありましたら、お気軽にご連絡くださいませ。

 

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